# 周期／雑音励振の連続強度：次の推定対象を二つに絞る

2026-10-19 UTC。一次論文と公式コードの読取り・条件付き数理設計。新規実装、音声生成、品質測定はしていない。進行中の knownclock4harmonicmean＋periodicvariance＋localizedvariance の結果を予断しない。

## 結論と最初の判断

**先に知りたいのは「有声かの確信」ではなく、既知clockに再現可能に結合する成分の強度と、そこから外れる成分の性質。** P(voiced)、F0分散、octave候補質量を、雑音の電力や周期枝のフェーダーへ直接写さない。候補は以下の二つ。第一候補は最小の解析的な識別用であり、完成vocoderの採用宣言ではない。

1. **既知clock条件付き調波回帰＋投影雑音の電力バイアス補正。** 係数の推定不確かさと、観測された周期／残差強度を別出力にする。
2. **clock補償したIF微分型の局所periodic/random比。** 調波回帰と異なる観測として使う。低SNR・無声へそのまま外挿せず、第二の完成codecは作らない。

最初の意思決定を変える観察は、**加算雑音だけを増やした小例と、雑音を増やさずevent時刻／周期形だけを揺らした小例が、既知clock下でも同じ「noise増大」に潰れるか**である。両者を区別できず、後者の質感だけがnoise再合成で変わるなら、soft VUVの調整を続けず、二成分定常モデルを改め、周期結合の変動と非反復eventを独立に持つ。これは進行中の実験からも判断できる。微小な改善のためのsigmoid・窓・prior探索を追加する前に、この帰属を確認する。

## 先行方式から採るもの／採らないもの

- **cNM（2020）：連続値という名前だけでは不足。** 原著式(3)は正規化PDDからの変換、式(5)は周期成分を閾値でゼロ化し、0.77は聴取による選択。式(6)はnoise波形の重み付けであり、物理的noise電力率や校正済みVUV posteriorの導出ではない。従って本件の「hard switchなし」の完成解として採らない。解析合成部分のDSPと、論文の統計的TTS全体も区別する。[原著 §2.2](https://www.jstage.jst.go.jp/article/transinf/E103.D/5/E103.D_2019EDP7167/_pdf)
- **D4C：比較対象には適切、無条件soft化ではない。** 現公式コードはF0=0、またはLoveTrain判定が閾値以下なら帯域推定をスキップする。帯域APが連続でも前段の分岐は残る。これを無視してAPだけ交換しない。[公式実装 D4C](https://github.com/mmorise/World/blob/master/src/d4c.cpp)、[著者の論文一覧](https://www.isc.meiji.ac.jp/~mmorise/world/english/publications.html)
- **mixed excitationの教訓は帯域別の混合。** pulseかnoiseかの全帯域二択を外す意義は古い。YoshimuraらのHMM版はパラメータ生成を学習するため、論文全体は非MLではない。混合器自体のDSPを借りることと、学習済み生成器を採ることは別。[2001原著](https://www.isca-archive.org/eurospeech_2001/yoshimura01_eurospeech.html)
- **新しい名称も全pipelineを確認。** SLASH（2025）はDSP合成器を持つが、F0/APをDNN encoderが推定するため今回は除外。「DDSPだから非ML」としない。今回の探索で、これを置換する新しい非ML全pipelineの確立した根拠は得られていない。[原著 §2](https://www.isca-archive.org/interspeech_2025/terashima25_interspeech.pdf)

## 候補1：調波回帰の電力と不確かさを別々に測る

### 測る量と最小のモデル

source候補mのclockを固定し、同じ時間支持で `y = X_m β + ε` とする。Xはclock位相のsin/cos基底、βはその支持中の調波係数。最初は**加算・独立・等分散Gaussian残差、固定次数、固定clock**だけを仮定する。非MLで全解析合成を構成可能だが、本件の完成実装はまだない。学習コーパスやニューラル重みは不要。

以下は既存論文の新結果と称さず、このモデルからの直接導出である。N標本、rank d、最小二乗係数β̂、係数の標本共分散 `C = σ²(XᵀX)⁻¹`。有限窓の電力行列を `Q = XᵀX/N` とすると、

- `β̂ᵀQβ̂` は投影された雑音まで含み、期待値が `tr(QC)` だけ上がる。
- `P̃coh = β̂ᵀQβ̂ − tr(QC)` が、固定モデル下のcoherent成分電力の不偏推定量になる。
- σ²が未知なら同モデル内では残差平方和をN−dで割った推定を使える。ただしモデル誤差が残差へ混じれば、物理的加算雑音分散ではなくなる。

帯域別には同じ基底へ帯域フィルタを掛けた電力行列Q_bを使う。短窓・非整数周期で「各sin/cos係数の二乗和を常に1/2倍」と省略しない。色付き残差、重み付き窓、推定したclockでは共分散と自由度が変わる。この白色・固定設計の補正式を無条件転用しない。

### Gaussian posterior／shrinkageを使うなら

Shiらは調波係数にg-priorとそのhyperpriorを持つBayesian trackerを示しているが、その目的はF0／次数／voicing推論であり、自然音の物理noise分離を保証していない。[原著 §III–IV](https://arxiv.org/html/1905.08557v1)

条件付きGaussian posterior `β|y ~ N(μ,Cpost)` なら `E[βᵀQβ|y] = μᵀQμ + tr(QCpost)` は正しい。しかしこれは**宣言したprior／モデル内のlatent coherent電力の事後期待値**であり、第二項が実測された物理的periodic varianceという意味ではない。係数posteriorを周期ごとに再抽選すれば、認識上の不確かさから新たな音響変動を作ってしまう。今回それはしない。

滑らかなshrinkage係数は計算できても、prior尺度を音が良くなるよう調整して「校正」と呼ばない。まず上の無prior・バイアス補正観測で、改善対象が投影雑音なのかモデル不適合なのかを判断する。Bayesian版の追加は、その区別に有益な場合だけ。

### 連続性と限界

- P̃cohは負になり得る。これは有限データの不確かさで、負の音響電力ではない。推定値と区間は保存し、合成に限り非負制約を適用する。ゼロでclipすれば値は連続でも微分は不連続、また不偏性を失う。
- 強度の時間平滑化は非負電力領域で、固定した支持・遅延として宣言する。長く平均すると開始・終了やeventが鈍るため、「滑らか＝正しい」としない。
- 低energyではpower ratio自体が不安定。観測強度が消えれば両枝とも消える。比率を推定できないことを、全powerがnoiseだと解釈しない。
- 無声では有限窓の偶然の投影が残る。補正と不確かさはその問題を示せるが、常に完全にゼロへ識別できるわけではない。
- breathyでは反復成分と乱流が共存する。残差の周期同期AMが強ければ独立定常noiseではなく、既存のperiodicvariance経路へ帰属を検討する。
- jitter／shimmer／周期形変化は定常harmonic残差を増やす。既知event clockでの整列後に消える分は加算noiseと区別する。HNRがこれらを混同する問題は古くから指摘されている。[Murphy 1999原著抄録](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10335636/)

## 候補2：IFの微分から局所periodic/random比を測る

Kawaharaら（2017）は、孤立した調波のフィルタ出力の瞬時周波数が干渉成分で揺れることを利用する。周波数微分と時間・周波数微分を組み合わせ、窓特性に基づく尺度で局所比を推定。自然音にはF0によるtime warpを使う。**VUVの確信ではなく、局所調波に対する干渉の観測**である。[原著 §3–4](https://www.isca-archive.org/interspeech_2017/kawahara17_interspeech.pdf)

同論文の要旨にある「追加校正不要」を無条件に読まない。本文§3.4とAlgorithm 1には既知信号による設計・校正、窓依存C0がある。背景雑音、warp後の声道共鳴変化、励振設計への不足も§4.1に明記。これは2016 YANGの完成置換ではなく、別の局所観測を導入する候補。

- 推定計算は非ML。全pipelineも非ML部品で構成可能だが、論文の観測器だけで無声・event・合成を網羅しない。論文脚注の著者MATLAB配布先は今回HTTP/HTTPSとも取得できず、対応コードの監査は未完了。
- 調波優勢・十分なenergyが適用域。無声／深いspectral dipではIF分母が小さく、元の近似条件も崩れる。連続値を返すだけでは有効性が成立しない。
- breathyでrandom比増大を拾える可能性はあるが、背景noiseと声門乱流は分離されない。強いnoise・近接調波の漏れ・急変で過信しない。
- jitterをclock warpで補償しても、周期形変動と声道変化は残る。滑らかなSNR曲線を「物理的乱流強度」と断定しない。
- 出力のSNR表記には振幅・電力・逆比・dB規約を確認してから変換する。原著のηやC0ηをそのままpower fractionとして使わない。

第一候補が加算雑音と構造残差を混同し、第二の観測がその区別に実際に寄与するときだけ昇格する。両者が同じ誤りなら、観測器を増やすよりモデルを変える。

## 制御契約：確率は推論、強度は音響量

既存の「source側で一枝を固定・共通target clock・候補波形を平均しない」契約を維持する。

1. 候補別に、coherent帯域電力、randomとして扱える残差電力／PSD、周期結合変動、非反復event、推定不確かさ／適用域を保存する。未説明残差をすべてnoiseへ流さない。
2. 選択枝の各電力を固定Hz軸の音色表現として使い、周期carrierだけtarget clockへ結合する。noise-AMの結合位相と、eventの絶対時刻は別規則のまま。
3. 単位電力に規格化した無相関の周期／noise成分を混ぜる場合、振幅gainは各電力の平方根。重なるfilterbankや周期変動枝では相互項／二重計上を確認する。電力率をそのまま振幅gainにしない。
4. P(voiced)は指定モデル内の仮説重みとして保持。合成noise率に `1−P(voiced)` を代入せず、F0分散からnoiseを足さない。確率的VUV研究は継続し、波形生成との意味を分離する。
5. 「silent」「noise優勢」「周期が弱く識別不能」「定常モデル不適合」を別状態として記録。未知を無声の真値や全noiseへ置換しない。

## 5役・2巡の短い反証討議

実在の専門家の意見ではなく、設計を反証するための仮想役割。

| 役割 | 第1巡：異議 | 第2巡：採用条件／修正 |
|---|---|---|
| 統計 | 係数二乗はnoiseを投影し、posterior二次モーメントもprior依存 | 固定clockの補正電力と不確かさを分離。縮小推定は後段の選択肢 |
| 生体・音響 | 不規則な声帯振動と乱流は異なる。HNR低下だけでは病因も物理源も分からない | clock補償で消える揺れ、周期形変化、加算noiseを対照化 |
| 信号処理 | 白色残差仮定、窓、次数で答えが変わる | 最小条件で成立を確認し、同じデータでの選択による楽観を留保 |
| 合成・知覚 | 滑らかな係数でも、eventの消失やnoise-AMの誤配置は不自然 | gainの連続化より帰属の聴覚的違いを先に確認 |
| 反証・開発 | cNM・IF・Bayesianという名前を替えただけでは前進しない | 新観測で次の設計判断が変わらなければ候補を増やさず、二成分モデルの前提へ戻る |

**次の一歩はVUV classifierの実装ではなく、進行中の既知clock実験の残差が「加算的random」なのか「clock／eventに結合した未表現変動」なのかを判別すること。** 前者なら候補1で連続強度を測る価値がある。後者なら既存variance/event経路を優先する。自然音で真のsourceを一意に分離できるという主張はしない。
