後ろの入力を変えると、
2.095秒の包絡が変わった
F0を固定したまま、2.103秒以降の入力を直前値保持・過去反射へ置き換えると、2.095秒フレームの高域包絡が大きく変わりました。この条件では、解析包絡が未来側サンプルに依存することを直接観測できました。
2.103秒から直前値保持
−18.10 / −14.08 dB2.095秒フレームの1.5–3 / 3–8 kHz。原音の同一フレームに対する解析包絡の変化。
2.103秒から過去反射
−17.83 / −13.95 dB同じフレーム・同じ2帯域。複数の継続で変化がある一方、真の未来音声ではありません。
早いフレームの観測
2.080秒:全9条件で同値frame 416の解析包絡の最大絶対差は0。原音の再実行も保存した20フレームすべて同値でした。
1. 3つの開始時刻 × 3つの継続方法
図はframe 419(2.095秒)の解析直後の包絡を比較します。各点は保存値で、線は3つの離散条件を読みやすく結んだものです。原音は全条件共通の0 dBの基準です。負の値を音質改善やノイズ除去量とは読みません。
| 置換開始 | 継続方法 | 解析直後の変化 / dB | FWCEP float32往復後 / dB | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 1.5–3 kHz | 3–8 kHz | 1.5–3 kHz | 3–8 kHz | ||
| 原音 / 原音再実行 | 変更なし | 0.00 | 0.00 | 0.00 | 0.00 |
| 2.100 s | 直前値保持 | -18.48 | -14.47 | -18.85 | -15.07 |
| 2.100 s | 過去波形の反射 | -16.82 | -13.77 | -16.98 | -14.35 |
| 2.100 s | ゼロ継続 | -12.44 | -8.57 | -12.45 | -8.98 |
| 2.103 s | 直前値保持 | -18.10 | -14.08 | -18.56 | -14.80 |
| 2.103 s | 過去波形の反射 | -17.83 | -13.95 | -18.44 | -14.71 |
| 2.103 s | ゼロ継続 | -11.78 | -8.81 | -11.91 | -8.98 |
| 2.106 s | 直前値保持 | -0.27 | -0.82 | -0.28 | -0.82 |
| 2.106 s | 過去波形の反射 | +1.47 | +0.26 | +1.48 | +0.34 |
| 2.106 s | ゼロ継続 | -0.72 | +0.10 | -0.73 | +0.15 |
表のΔdB = 10 log10(置換条件の帯域平均power ÷ 原音の同じフレームの帯域平均power)。解析直後・FWCEP往復後それぞれの原音値を分母にします。波形dBFSや可聴音量の測定ではありません。
2. 変えたもの、固定したもの
未来側の入力だけを置き換えた
- 開始:2.100、2.103、2.106秒。開始標本を含む以降を変更。
- 直前値保持:切断直前の1標本を、その後も一定値として継続。
- 過去反射:切断直前から過去へさかのぼる標本列を、未来側へ反転配置。
- ゼロ継続:開始標本以降を0へ置換。
元の解析条件を維持した
- 原音から得たStoneMask F0を全11条件で固定。置換後の波形から再推定しない。
- 時間配列、16 kHz、FFT 4096、FWCEP 60次元・float32往復を固定。
- ピーク/RMS正規化なし。条件ごとの音量再調整なし。
- pyworld 0.3.5、NumPy 2.3.5の保存結果。
基準を条件ごとに動かさない
上表の条件間変化は同じフレームの未改変原音が基準です。保存JSONにある時刻間の相対レベルは、どの条件も未改変原音のframe 421(2.105秒)を基準にしています。置換後の2.105秒で各条件を再正規化した値ではありません。
3. 変わらない範囲も残す
| 観測 | 保存結果 | 理想解析窓の右端 |
|---|---|---|
| 原音を1回再実行 | 20フレームの保存観測が原音と同値 | 各フレームで元の条件と同じ |
| frame 416 / 2.080秒 | 全9置換で解析包絡の最大絶対差0 | 2.095892秒 |
| frame 418 / 2.090秒 | 2.106秒開始の3置換で最大絶対差0 | 2.105704秒 |
これらは置換開始が理想窓の右端より後にある関係と整合します。ただし、理想窓端はWORLDの離散標本参照端を厳密に測った値ではありません。原音再実行の一致は今回の記録範囲の数値的反復性で、異なる環境・旧バイナリまでの一致は示しません。
前の説明図:解析窓と+3半音の時計
既存の説明図をそのまま再掲。中心2.095秒、StoneMask 97.327181 Hz、理想全幅30.823866 ms。この図の時間支持と今回の介入結果を併読します。可聴開始の図ではありません。
ここまでの結論
「未来の入力が解析包絡へ寄与し得る」から、「固定F0下で未来の入力を変えると、先行フレームの包絡が実際に変わる」まで進みました。
一方、この解析部だけでは、包絡の変化が合成波形にどの程度伝わるかは決まりません。次節で別に固定した経路の伝播を示しますが、聞こえる風音の原因や音質改善まで確定した結果ではありません。既知1録音の依存診断であり、採用候補、品質順位、全120録音への一般化はありません。
4. 未来側の変更 → 特徴1行 → 出力波形
次の段階では、2.103秒以降を直前値保持・過去反射にした解析から、2.095秒のFWCEP(frame 419)だけを取り出し、元の保存特徴の同じ1行へ差し替えました。残りの特徴、F0時計、マスク、乱数seed 0は固定し、native/−3/+3半音の各3条件、計9出力の保存結果を観測しました。
→ 2.095秒の解析包絡・FWCEP 1行が変化
→ +3半音の2.092843秒パルスがこの行を参照
→ 出力で最初に厳密な標本差が出る時刻:2.0874375秒
入力の置換開始より15.5625 ms早い出力で、固定した数値的経路に変化が現れました。これは実際に聞こえる音の開始時刻ではありません。元のFWCEP行を再符号化した差は0で、nativeと−3半音では参照時計が419行を選ばず、3条件の出力波形はそれぞれ同値でした。
+3半音の帯域powerの時間変化
| 窓中心の選択区間 / 秒 | 419行の出自 | 1.5–3 kHz ΔdB | 3–8 kHz ΔdB | 窓数 |
|---|---|---|---|---|
| [2.080, 2.094) | 直前値保持 | -12.641297 | -12.543630 | 14 |
| [2.094, 2.103) | 直前値保持 | -0.082167 | -0.159734 | 9 |
| [2.103, 2.126) | 直前値保持 | +0.000001 | +0.000051 | 23 |
| [2.080, 2.094) | 過去反射 | -12.620121 | -12.504333 | 14 |
| [2.094, 2.103) | 過去反射 | -0.081701 | -0.160070 | 9 |
| [2.103, 2.126) | 過去反射 | +0.000085 | +0.000062 | 23 |
表は各区間の帯域平均powerについて、元の+3出力を分母にした10 log10比です。5 ms周期Hann、1 ms hop、FFT 128。一側帯域bin powerの和をFFT長×窓二乗和で除算。帯域は[1.5, 3) kHzと[3, 8) kHz。窓中心で区間を選ぶため、最初・最後の窓は区間外も参照します。
早い区間[2.080, 2.094)秒では、両継続とも2つの高域帯が約12.5–12.6 dB小さくなりました。一方、後ろの区間[2.103, 2.126)秒の高域平均はほぼ同じです。
これを「立ち上がり全体を完全に保った」とは言いません。別に集計した広帯域の[2.094, 2.126)秒では、元出力との差分RMSが直前値保持0.008274918、過去反射0.003045404あり、波形の差は残っています。この広帯域区間と上の後半帯域区間は同一ではありません。
実装・来歴の範囲
実行に使ったのはコピーした診断用pml_ablationソースです。既定reference_mode="edited"で、追加のablation分岐は非作動でした。公開ソースそのものとbytes同一とは主張しません。保存された来歴比較では、−3/+3の元特徴出力は以前の基準波形SHAと一致していますが、これもソースの同一性を保証しません。
Python 3.12.14、NumPy 2.3.5、SciPy 1.17.0。この資料作成では保存NPZを読み、図とPCM16試聴コピーを作っただけで、新しい再合成・テストは実行していません。例ごとのRTFや品質順位は示しません。
5. 同じ4.045秒を聞き比べる
まず原音・PML native・PML +3半音を並べています。診断用の2音声は下に折りたたみました。全例同じgain 1で、注目箇所は約2.08秒付近です。聴感評価の点数や採用判断は付けていません。
原音
全長4.045秒 · 同じgain 1 · 注目箇所は約2.08秒付近
PML native・元の保存特徴
全長4.045秒 · 同じgain 1 · 注目箇所は約2.08秒付近
PML +3半音・元の保存特徴
全長4.045秒 · 同じgain 1 · 注目箇所は約2.08秒付近
診断用の+3半音・2例を開く
同じ元録音から保存された出力で、変更は419行のFWCEPのみ。後ろを改変した原音そのものを再生しているわけではありません。
診断:+3半音・直前値保持由来の1行
全長4.045秒 · 同じgain 1 · 注目箇所は約2.08秒付近
診断:+3半音・過去反射由来の1行
全長4.045秒 · 同じgain 1 · 注目箇所は約2.08秒付近
帰属と試聴用変換
LibriSpeech (c) 2014 Vassil Panayotov。作成者:Vassil Panayotov、Guoguo Chen、Daniel Povey、Sanjeev Khudanpur。LibriVoxの朗読とProject Gutenberg由来の文章を含むOpenSLR SLR12の録音121-121726-0012です。配布条件はCC BY 4.0(法文)。作成者・配布元・話者による本比較の推奨を意味しません。
同じ保存区間[0, 64720)標本、16 kHz mono、全長4.045秒です。保存float64標本を全例共通のrint(x×32767)でPCM16 WAVへ変換しました。量子化と固定フルスケール変換があり、元のfloat64 bytesとは同一ではありません。最大peakは原音0.755341、再合成は0.585021以下で、正規化・クリップ・時間整列・フィルター・再標本化はしていません。乱数ディザなし。元の測定用配列は変更していません。
この資料の試聴用コピーです。データセットの出典・ライセンス・変更内容は音声の出典ページに記載しています。実ブラウザでの再生確認は未実施です。条件・変換・出典SHAは音声manifest・測定来歴に保存しています。音声の帰属・標準引用・派生内容も参照してください。
保存値・出典
保存した9出力の観測 · 出力帯域の全保存値 · 表示用の帯域比と範囲 · 元出力の来歴比較
表示した全9条件と対照観測のスカラー · 元の11条件×20フレームの全保存結果 · 全9条件の図 · 前の解析窓の説明図
保存JSONとNPZのSHA、固定F0、固定原音基準の対応を静的に確認して表示しました。ここでは新しい解析・合成・推論・テストを実行していません。raw PMLや生のスペクトル配列は同梱していません。説明用の試聴コピーは音声manifestで別記しています。
入力結果のSHA-256
result.json
11b7d4bf07bc084e120fbad8b4858be5d293359eec826586a8aadb0b414d62ed
observations.npz
7d51596613e6e6d1920b6f9e376e5950a38fe2cfa64051b1eaa3cb5272b96738