サンプル3 · 未来依存と特徴1行の伝播 · 研究資料

後ろの入力を変えると、
2.095秒の包絡が変わった

F0を固定したまま、2.103秒以降の入力を直前値保持・過去反射へ置き換えると、2.095秒フレームの高域包絡が大きく変わりました。この条件では、解析包絡が未来側サンプルに依存することを直接観測できました。

対象:librispeech_121-121726-0012 の既知1録音。保存済み11解析(原音2回+3開始時刻×3継続方法)の結果。新方式の提案・品質比較・聴感上の原因確定ではありません。

2.103秒から直前値保持

−18.10 / −14.08 dB

2.095秒フレームの1.5–3 / 3–8 kHz。原音の同一フレームに対する解析包絡の変化。

2.103秒から過去反射

−17.83 / −13.95 dB

同じフレーム・同じ2帯域。複数の継続で変化がある一方、真の未来音声ではありません。

早いフレームの観測

2.080秒:全9条件で同値

frame 416の解析包絡の最大絶対差は0。原音の再実行も保存した20フレームすべて同値でした。

1. 3つの開始時刻 × 3つの継続方法

図はframe 419(2.095秒)の解析直後の包絡を比較します。各点は保存値で、線は3つの離散条件を読みやすく結んだものです。原音は全条件共通の0 dBの基準です。負の値を音質改善やノイズ除去量とは読みません。

2.095秒フレームの包絡変化:全9条件未来側の置換開始を2.100、2.103、2.106秒に変えた、直前値保持・過去反射・ゼロ継続の全9条件。縦軸は同一フレームの原音解析との差、単位dBです。同じ2.095秒フレームの解析包絡は、未来の置換で変わる縦軸:原音の同一フレームからの変化(dB) / 負は包絡の帯域平均powerが小さい方向1.5–3 kHz-20-15-10-5+0+52.100 s2.103 s2.106 s未来側を置換し始める時刻3–8 kHz-20-15-10-5+0+52.100 s2.103 s2.106 s未来側を置換し始める時刻直前値保持過去波形の反射ゼロ継続
すべての9条件を表示。2.106秒では過去反射が正の変化になる帯域もあります。置換を後ろへ動かした結果が常に同じ方向になる、という主張ではありません。
置換開始継続方法解析直後の変化 / dBFWCEP float32往復後 / dB
1.5–3 kHz3–8 kHz1.5–3 kHz3–8 kHz
原音 / 原音再実行変更なし0.000.000.000.00
2.100 s直前値保持-18.48-14.47-18.85-15.07
2.100 s過去波形の反射-16.82-13.77-16.98-14.35
2.100 sゼロ継続-12.44-8.57-12.45-8.98
2.103 s直前値保持-18.10-14.08-18.56-14.80
2.103 s過去波形の反射-17.83-13.95-18.44-14.71
2.103 sゼロ継続-11.78-8.81-11.91-8.98
2.106 s直前値保持-0.27-0.82-0.28-0.82
2.106 s過去波形の反射+1.47+0.26+1.48+0.34
2.106 sゼロ継続-0.72+0.10-0.73+0.15

表のΔdB = 10 log10(置換条件の帯域平均power ÷ 原音の同じフレームの帯域平均power)。解析直後・FWCEP往復後それぞれの原音値を分母にします。波形dBFSや可聴音量の測定ではありません。

2. 変えたもの、固定したもの

未来側の入力だけを置き換えた

  • 開始:2.100、2.103、2.106秒。開始標本を含む以降を変更。
  • 直前値保持:切断直前の1標本を、その後も一定値として継続。
  • 過去反射:切断直前から過去へさかのぼる標本列を、未来側へ反転配置。
  • ゼロ継続:開始標本以降を0へ置換。

元の解析条件を維持した

  • 原音から得たStoneMask F0を全11条件で固定。置換後の波形から再推定しない。
  • 時間配列、16 kHz、FFT 4096、FWCEP 60次元・float32往復を固定。
  • ピーク/RMS正規化なし。条件ごとの音量再調整なし。
  • pyworld 0.3.5、NumPy 2.3.5の保存結果。
ゼロ継続は境界不連続を含むストレス条件です。「破裂音だけをきれいに除去した音声」ではありません。直前値保持・過去反射も真の未来音声ではなく、周波数内容を変えます。3方法の効果を、そのまま自然な音声処理や改善策へ置き換えません。

基準を条件ごとに動かさない

上表の条件間変化は同じフレームの未改変原音が基準です。保存JSONにある時刻間の相対レベルは、どの条件も未改変原音のframe 421(2.105秒)を基準にしています。置換後の2.105秒で各条件を再正規化した値ではありません。

3. 変わらない範囲も残す

観測保存結果理想解析窓の右端
原音を1回再実行20フレームの保存観測が原音と同値各フレームで元の条件と同じ
frame 416 / 2.080秒全9置換で解析包絡の最大絶対差02.095892秒
frame 418 / 2.090秒2.106秒開始の3置換で最大絶対差02.105704秒

これらは置換開始が理想窓の右端より後にある関係と整合します。ただし、理想窓端はWORLDの離散標本参照端を厳密に測った値ではありません。原音再実行の一致は今回の記録範囲の数値的反復性で、異なる環境・旧バイナリまでの一致は示しません。

前の説明図:解析窓と+3半音の時計
2.095秒の解析窓と+3半音の合成時計解析窓の理想範囲は2.079588秒から2.110412秒。中央の2.095秒の特徴を、2.092843秒の出力パルスが参照します。雑音セルの左減衰は2.087375秒に始まります。実波形や可聴開始を描いたものではありません。2.0752.0802.0852.0902.0952.1002.1052.1102.115解析で参照する時間範囲と、合成で使う時刻は別です共通の時間軸 / 波形・音量・聞こえ始めの図ではありません入力の解析窓左端 2.079588 s右端 2.110412 s30.823866 ms = ±15.411933 ms保存特徴2.095 s / frame 419+3半音合成側左減衰開始 2.087375 sパルス 2.092843 s秒曲線は3/F0の理想窓の説明図。離散標本・端点丸め・正規化は再現していません。

既存の説明図をそのまま再掲。中心2.095秒、StoneMask 97.327181 Hz、理想全幅30.823866 ms。この図の時間支持と今回の介入結果を併読します。可聴開始の図ではありません。

ここまでの結論

「未来の入力が解析包絡へ寄与し得る」から、「固定F0下で未来の入力を変えると、先行フレームの包絡が実際に変わる」まで進みました。

一方、この解析部だけでは、包絡の変化が合成波形にどの程度伝わるかは決まりません。次節で別に固定した経路の伝播を示しますが、聞こえる風音の原因や音質改善まで確定した結果ではありません。既知1録音の依存診断であり、採用候補、品質順位、全120録音への一般化はありません。

4. 未来側の変更 → 特徴1行 → 出力波形

次の段階では、2.103秒以降を直前値保持・過去反射にした解析から、2.095秒のFWCEP(frame 419)だけを取り出し、元の保存特徴の同じ1行へ差し替えました。残りの特徴、F0時計、マスク、乱数seed 0は固定し、native/−3/+3半音の各3条件、計9出力の保存結果を観測しました。

入力側の介入開始:2.103秒
→ 2.095秒の解析包絡・FWCEP 1行が変化
→ +3半音の2.092843秒パルスがこの行を参照
→ 出力で最初に厳密な標本差が出る時刻:2.0874375秒

入力の置換開始より15.5625 ms早い出力で、固定した数値的経路に変化が現れました。これは実際に聞こえる音の開始時刻ではありません。元のFWCEP行を再符号化した差は0で、nativeと−3半音では参照時計が419行を選ばず、3条件の出力波形はそれぞれ同値でした。

介入はFWCEPの1行です。復元された振幅包絡だけでなく、それに由来する最小位相の成分も変わり得ます。振幅だけの寄与を単独に分離した結果ではなく、「破裂音だけを除いた正解特徴」や新しい品質改善方式でもありません。

+3半音の帯域powerの時間変化

+3半音の出力帯域power:元の特徴と2つの一行置換2.08から2.17秒の全90観測点。上は1.5–3kHz、下は3–8kHz。基準は元の+3出力の中心2.103から2.126秒の平均帯域power。最初の標本差と入力置換開始を縦線で区別。1行置換の効果は、+3半音の早い高域成分へ伝わった縦軸:固定した元出力の後半帯域平均に対するdB / 各曲線ごとの正規化なし1.5–3 kHz-40-30-20-10+0+102.082.092.102.112.122.132.142.152.162.173–8 kHz-40-30-20-10+0+102.082.092.102.112.122.132.142.152.162.17赤の縦線:出力の最初の厳密差 2.0874375 s / 灰の縦線:入力側の置換開始 2.103 s元の保存特徴直前値保持由来の1行過去反射由来の1行5 ms Hann窓・1 ms間隔。窓中心で区間を選び、各窓は中心の前後2.5 msを参照します。
元の+3半音出力の、中心時刻[2.103, 2.126)秒の帯域平均powerを、各帯域の固定0 dB基準にしています。解析包絡の図とは別に、保存した出力波形から測った短時間帯域powerです。全90点を表示しています。
窓中心の選択区間 / 秒419行の出自1.5–3 kHz ΔdB3–8 kHz ΔdB窓数
[2.080, 2.094)直前値保持-12.641297-12.54363014
[2.094, 2.103)直前値保持-0.082167-0.1597349
[2.103, 2.126)直前値保持+0.000001+0.00005123
[2.080, 2.094)過去反射-12.620121-12.50433314
[2.094, 2.103)過去反射-0.081701-0.1600709
[2.103, 2.126)過去反射+0.000085+0.00006223

表は各区間の帯域平均powerについて、元の+3出力を分母にした10 log10比です。5 ms周期Hann、1 ms hop、FFT 128。一側帯域bin powerの和をFFT長×窓二乗和で除算。帯域は[1.5, 3) kHzと[3, 8) kHz。窓中心で区間を選ぶため、最初・最後の窓は区間外も参照します。

早い区間[2.080, 2.094)秒では、両継続とも2つの高域帯が約12.5–12.6 dB小さくなりました。一方、後ろの区間[2.103, 2.126)秒の高域平均はほぼ同じです。

これを「立ち上がり全体を完全に保った」とは言いません。別に集計した広帯域の[2.094, 2.126)秒では、元出力との差分RMSが直前値保持0.008274918、過去反射0.003045404あり、波形の差は残っています。この広帯域区間と上の後半帯域区間は同一ではありません。

実装・来歴の範囲

実行に使ったのはコピーした診断用pml_ablationソースです。既定reference_mode="edited"で、追加のablation分岐は非作動でした。公開ソースそのものとbytes同一とは主張しません。保存された来歴比較では、−3/+3の元特徴出力は以前の基準波形SHAと一致していますが、これもソースの同一性を保証しません。

Python 3.12.14、NumPy 2.3.5、SciPy 1.17.0。この資料作成では保存NPZを読み、図とPCM16試聴コピーを作っただけで、新しい再合成・テストは実行していません。例ごとのRTFや品質順位は示しません。

5. 同じ4.045秒を聞き比べる

まず原音・PML native・PML +3半音を並べています。診断用の2音声は下に折りたたみました。全例同じgain 1で、注目箇所は約2.08秒付近です。聴感評価の点数や採用判断は付けていません。

原音

全長4.045秒 · 同じgain 1 · 注目箇所は約2.08秒付近

PML native・元の保存特徴

全長4.045秒 · 同じgain 1 · 注目箇所は約2.08秒付近

PML +3半音・元の保存特徴

全長4.045秒 · 同じgain 1 · 注目箇所は約2.08秒付近

診断用の+3半音・2例を開く

同じ元録音から保存された出力で、変更は419行のFWCEPのみ。後ろを改変した原音そのものを再生しているわけではありません。

診断:+3半音・直前値保持由来の1行

全長4.045秒 · 同じgain 1 · 注目箇所は約2.08秒付近

診断:+3半音・過去反射由来の1行

全長4.045秒 · 同じgain 1 · 注目箇所は約2.08秒付近

帰属と試聴用変換

LibriSpeech (c) 2014 Vassil Panayotov。作成者:Vassil Panayotov、Guoguo Chen、Daniel Povey、Sanjeev Khudanpur。LibriVoxの朗読とProject Gutenberg由来の文章を含むOpenSLR SLR12の録音121-121726-0012です。配布条件はCC BY 4.0(法文)。作成者・配布元・話者による本比較の推奨を意味しません。

同じ保存区間[0, 64720)標本、16 kHz mono、全長4.045秒です。保存float64標本を全例共通のrint(x×32767)でPCM16 WAVへ変換しました。量子化と固定フルスケール変換があり、元のfloat64 bytesとは同一ではありません。最大peakは原音0.755341、再合成は0.585021以下で、正規化・クリップ・時間整列・フィルター・再標本化はしていません。乱数ディザなし。元の測定用配列は変更していません。

この資料の試聴用コピーです。データセットの出典・ライセンス・変更内容は音声の出典ページに記載しています。実ブラウザでの再生確認は未実施です。条件・変換・出典SHAは音声manifest・測定来歴に保存しています。音声の帰属・標準引用・派生内容も参照してください。

保存値・出典

保存した9出力の観測 · 出力帯域の全保存値 · 表示用の帯域比と範囲 · 元出力の来歴比較

表示した全9条件と対照観測のスカラー · 元の11条件×20フレームの全保存結果 · 全9条件の図 · 前の解析窓の説明図

WORLD公式一次ソース:CheapTrick

保存JSONとNPZのSHA、固定F0、固定原音基準の対応を静的に確認して表示しました。ここでは新しい解析・合成・推論・テストを実行していません。raw PMLや生のスペクトル配列は同梱していません。説明用の試聴コピーは音声manifestで別記しています。

入力結果のSHA-256

result.json
11b7d4bf07bc084e120fbad8b4858be5d293359eec826586a8aadb0b414d62ed

observations.npz
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