原因分析の追加資料 · 2026-10-19 JST

固定9条件の強部損失を、自己項と符号付き交差項から読む

4録音・9条件・27方式行・全18帯域イベント。旧失敗18点と事後改訂した観測尺度を併記。

2026-10-19 JST。基準はPML。RAW_SHAPE・RAW_FULLは未採用の比較対象。音声は既存のPML比較へ案内し、新音声は追加しない。

7kernelの確定結果と全体の入口 · 全27数値状態 · 保存要約

結論

既知の強部低下8イベントでは、FULL−PMLの自己項総和が8件すべてで減り、その差の絶対値は交差項差より大きかった。交差項差は6件で低下を加え、2件では一部を相殺した。したがって、今回の8件を「干渉だけによる損失」と説明することはできない。 これは符号付き線形power分解による記述であり、自己項が原因の何%という非負の責任配分ではない。

尺度復元の条件付き効果FULL−SHAPEは、対象8件のうち6件で強部を下げるが、ID06/08の対象帯域では上げる。それでもPML相対の損失は残る。一律に尺度復元を外せば解決する、という結論も支持されない。

追加の交差遅れ条件ID09では、band0のFULLはSHAPEよりstrong平均が+0.765dB高い一方、固定−10dB交差は12ms遅い。保存中心別分解では、早い交差付近の自己項減少と、後のstrong内の増加が共存していた。全窓平均cやstrong平均powerだけではこの時間差を説明できない。

今回得られたのは、固定観測における全cell自己項・全pair交差項の計算上の説明である。物理的な雑音分離、source-AMの因果、native F0正確性、知覚品質、RAW採用を確定するものではない。

1. 完了・来歴と数値的な限界

全9条件は、元の強部低下8条件と交差遅れ1条件から選んだ失敗の事後説明集合。4録音・7録音音高組であり、9独立録音、27独立実験、175独立cellではない。全5録音90条件の代表性、p値、信頼区間、因果相関は主張しない。

2. 定義:自己項と交差項

保存された固定80標本窓・FFT128の全65binから、帯域内Gramを作っている。band0は1.5–3kHz、band1は3–8kHzで、後者はNyquistを含まない。

region Gramはそのregionの全中心Gramの単純平均。regionの Σ|平均q_ij| と 平均Σ|q_ij| は異なるので、両保存値をCSVに残した。負の交差項を落とさず、符号付き項をdB化せず、片側cellへ割り振らず、出力損失の割合へ正規化しない。

ΔC<0は「交差和が低下」を意味し、必ずしも「負の相殺が増えた」ではない。元も先もC>0なら正の加算が減った可能性がある。例えばID04/band0はこの区別が必要である。

3. 条件キー

ID録音末尾半音seedcell枠潜在支持交差組/方式
011188-133604-000302026101514384
021188-133604-0003-3011329
031188-133604-0003+3017453
041188-133604-0003+32026101517453
05121-121726-0012-309196
061089-134686-003202026101524651
071089-134686-0032-3021553
081089-134686-0032-32026101521553
091221-135766-000500411068

175cell枠、4,640潜在支持交差組/方式、全65bin。幾何交差をactual非零寄与と読み替えない。名目cellを越えるkernel tailも固定潜在支持の対象に入っており、選択後の寄与が小さいからという理由で落としていない。

4. 全18strongイベント

以下のΔS/ΔC/ΔPは符号付き線形power。ΔPのdB欄は正の完成power比から得た既存観測で、符号付き項そのもののdBではない。*は既知の強部低下8イベント。原窓の端点は左閉右開で、帯域間の時刻を一致させていない。表示丸めのため表の和に小差が出るが、CSVは全精度と保存残差を保持する。

FULL − PML

ID/band元strong窓 [s)ΔSΔCΔP完成power差 dB
01/0*[3.9725, 3.9925)-8.58765e-06-4.82262e-06-1.34103e-05-2.017
01/1[3.9705, 3.9905)+1.56716e-06-1.21256e-07+1.44591e-06+1.883
02/0*[3.9725, 3.9925)-2.72249e-06-4.95797e-07-3.21829e-06-1.129
02/1[3.9705, 3.9905)+6.67045e-07-1.62717e-07+5.04328e-07+1.012
03/0*[3.9725, 3.9925)-7.66464e-06+1.55556e-06-6.10908e-06-1.620
03/1[3.9705, 3.9905)+1.01594e-06+2.88917e-07+1.30485e-06+1.834
04/0*[3.9725, 3.9925)-9.18199e-06-8.90934e-07-1.00729e-05-2.225
04/1[3.9705, 3.9905)-2.18665e-07+2.26621e-08-1.96003e-07-0.343
05/0*[2.1030, 2.1260)-1.96674e-05-1.97884e-06-2.16462e-05-1.265
05/1[2.1030, 2.1260)+5.93667e-06+4.28174e-07+6.36485e-06+0.437
06/0[2.2085, 2.2285)+2.11833e-05-1.32542e-06+1.98579e-05+1.533
06/1*[2.4815, 2.5015)-1.76570e-06-3.24813e-07-2.09051e-06-1.333
07/0[2.2085, 2.2285)+1.16126e-05+2.59265e-06+1.42052e-05+1.456
07/1*[2.4815, 2.5015)-2.13528e-06+1.00645e-08-2.12522e-06-1.654
08/0[2.2085, 2.2285)-6.05113e-06-3.40701e-07-6.39183e-06-0.791
08/1*[2.4815, 2.5015)-3.39852e-06-1.66151e-07-3.56468e-06-2.062
09/0[4.7095, 4.7295)+2.69466e-06-7.66670e-07+1.92799e-06+0.515
09/1[2.9975, 3.0175)-6.59368e-05+5.04668e-05-1.54699e-05-0.037

FULL − SHAPE

ID/band元strong窓 [s)ΔSΔCΔP完成power差 dB
01/0*[3.9725, 3.9925)-6.72858e-06-4.53590e-07-7.18217e-06-1.194
01/1[3.9705, 3.9905)+1.13083e-06-2.90114e-08+1.10182e-06+1.355
02/0*[3.9725, 3.9925)-1.69765e-07+4.87514e-08-1.21014e-07-0.048
02/1[3.9705, 3.9905)+9.67276e-09-1.13601e-08-1.68736e-09-0.003
03/0*[3.9725, 3.9925)-7.46145e-07+4.00660e-08-7.06079e-07-0.221
03/1[3.9705, 3.9905)-4.65177e-07-4.69748e-08-5.12152e-07-0.551
04/0*[3.9725, 3.9925)-8.76588e-06-2.30043e-07-8.99593e-06-2.035
04/1[3.9705, 3.9905)-1.58498e-06+1.05308e-07-1.47967e-06-2.099
05/0*[2.1030, 2.1260)-4.97269e-06+6.43172e-07-4.32951e-06-0.284
05/1[2.1030, 2.1260)-3.76143e-06-8.21471e-07-4.58290e-06-0.290
06/0[2.2085, 2.2285)+1.54482e-05+3.01342e-09+1.54512e-05+1.143
06/1*[2.4815, 2.5015)+1.16884e-06+6.85069e-08+1.23735e-06+1.038
07/0[2.2085, 2.2285)-3.42276e-06-2.34659e-07-3.65742e-06-0.307
07/1*[2.4815, 2.5015)-6.86634e-07-3.64253e-08-7.23059e-07-0.636
08/0[2.2085, 2.2285)-2.54796e-06-8.46574e-08-2.63262e-06-0.344
08/1*[2.4815, 2.5015)+1.29752e-07+5.06044e-09+1.34812e-07+0.101
09/0[4.7095, 4.7295)+2.52523e-06+2.59784e-07+2.78502e-06+0.765
09/1[2.9975, 3.0175)-7.31999e-05-4.28186e-06-7.74818e-05-0.183

この表から言えること

  1. 強部低下8件のFULL−PMLでは全件ΔS<0、|ΔS|>|ΔC|。ID03/band0とID07/band1はΔC>0なので自己項低下を一部打ち消す。他6件はΔC<0が差をさらに下げる。
  2. 対SHAPEで強部が上がるID06/band1(+1.038dB)、ID08/band1(+0.101dB)も、対PMLでは−1.333/−2.062dB。尺度復元の撤去だけでは元の損失集合を一律には解消できない。
  3. ID01は両bandのstrongに潜在交差するcell集合とcが同じでも、FULL−SHAPEのΔSがband0では負、band1では正。strong窓は[3.9725,3.9925)と[3.9705,3.9905)で2ms違う。平均cだけで各イベントを説明できない反例であり、周波数依存Mだけの単独原因を同定した比較ではない。
  4. ID03/04は同じplan・a²のseed対だが、ΔP/ΔS/ΔCは異なる。seedを独立録音へ数えず、一方だけを次候補の根拠にしない。

全9条件、band0の符号付き差

全9条件、band1の符号付き差

各panelは独立した線形横軸。青がΔS、橙がΔC、黒菱形がΔPで、正の寄与率へ変換していない。全18イベントを表示した。

5. 強部平均と交差時刻の関係

交差閾値は原音から固定したP_star×10^(dB/10)で全方式共通。各方式のstrong平均に合わせて閾値を動かしてはいない。保存search内の最初の観測中心で判定し、補間やonset再選択をしていない。

ID/band元strong窓 [s)FULL−PML msFULL−SHAPE msFULL−原音 ms
01/0[3.9725, 3.9925)-1.0+0.0+0.0
01/1[3.9705, 3.9905)+1.0+0.0+0.0
02/0[3.9725, 3.9925)+4.0+0.0+0.0
02/1[3.9705, 3.9905)+4.0-1.0+0.0
03/0[3.9725, 3.9925)+9.0+5.0+0.0
03/1[3.9705, 3.9905)+7.0+7.0+0.0
04/0[3.9725, 3.9925)+9.0+8.0+1.0
04/1[3.9705, 3.9905)+4.0+6.0+0.0
05/0[2.1030, 2.1260)+11.0+1.0+0.0
05/1[2.1030, 2.1260)+11.0+1.0+0.0
06/0[2.2085, 2.2285)+0.0+0.0+0.0
06/1[2.4815, 2.5015)+6.0+0.0+0.0
07/0[2.2085, 2.2285)+5.0+1.0+0.0
07/1[2.4815, 2.5015)+1.0+0.0-1.0
08/0[2.2085, 2.2285)+5.0+0.0+0.0
08/1[2.4815, 2.5015)+2.0+0.0+0.0
09/0[4.7095, 4.7295)+12.0+12.0+7.0
09/1[2.9975, 3.0175)+6.0+4.0+4.0

ID01〜08の16帯域イベントではFULLの原音相対−10dB交差は−1〜+1ms。PML相対の後退を、そのまま原音のattack遅延とは呼ばない。ID09の二つのイベントは原音より+7/+4ms遅れ、別の時間帯である。

ID09/band0の保存中心による説明

PML/SHAPEが既に閾値を越える4.7035sの固定中心で、閾値は1.65790e−5。PMLのPは1.92676e−5、SHAPEは2.06268e−5に対し、FULLは8.83467e−6で閾値未満。FULL−SHAPEの自己項差は−1.16922e−5、交差項差は−9.99110e−8で、ここでも自己項差の方が大きい。

FULLが初めて閾値を越える4.7155sではP=1.95396e−5。strong全体[4.7095,4.7295)のFULL−SHAPEはΔS=+2.52523e−6、ΔC=+2.59784e−7、ΔP=+2.78502e−6となる。つまり早い部分の抑制と後の部分の増加が共存する。平均strongの改善は交差の早さを保証しない。

band1も、SHAPE交差2.9975sでFULLのP=1.83037e−4は固定閾値3.84030e−4未満。FULLは3.0015sで到達する。ここでstrong平均のFULL−SHAPEは−0.183dBと小さいが、時間内の正負変化はその平均だけでは表せない。原因を単一cellや単一負pairへ割り当てない。

ID09の全search中心と符号付き差

この図は全保存search中心を表示し、early/strongは元の固定窓。原音のpower曲線自体は含まず、原音の閾値と保存交差時刻だけを示す。元crossing値の中心を読むだけで新しい交差イベントを選んでいない。全条件・全−30/−20/−10dB交差中心における3方式のP/S/Cはfixed-crossing-centers.csvへ保存した。

6. c・Mについて新しく分かった範囲

M、最終S、native前後kernelが今回の保存結果に揃い、c平均からの推測ではなく、窓後のcell自己項と全pairまで読めるようになった。FULL−SHAPEは固定された形状操作の下で尺度復元を行った条件付き差であり、PML→SHAPEと同一の介入ではない。Mを含む周波数混合、時間窓、taper、native丸め、重なりを経た後の分解である。

段階Aで低cが目立ったID03/04のcell525も省略していない。cは0.073785/0.072496で、Mは0〜1(2049bin中exact0が115、exact1が1874、その他60)。band0 strongのこのcellのFULL−SHAPE自己項差は−4.11679e−8/−5.15762e−9である。低cというだけで当該cellを全体の主因とする根拠にはならず、全cell・全signed pairの保存表と区別する。この自己項差を他cellとの交差項へ再配分しない。

7. 説明できたこと・残る限界

視点今回説明できたことこの結果だけでは決められないこと
計測固定窓内のPが全自己・全交差項と丸め残差で整合する。旧falseも残るnotch binの高い相対精度、未観測区間の完全分解
信号処理8強部損失の自己項低下、交差差の加算/相殺、ID09の時間内の正負変化物理的な周期成分/雑音正解の分離、source-AM原因
操作の比較FULL−SHAPEとSHAPE−PMLの条件付き差を全件保持一律のc補正、特定pair除去、新方式が有効という外挿
実装元waveと入力集合bytes、M/最終S/native kernel、全signed termsの来歴が接続別runtime・別条件での同一性、別候補の成功
批評平均c・平均strong・負pair比率だけの単純説明を退ける代表的品質改善、知覚品質、人間理解、正式120評価・採用

次の独立した介入計測へ進む場合も、この分解を「正解の損失配分」として補正係数へ直結させない。固定された別候補の全30条件と旧90参照を保ち、作用対象・無対象条件、音響損失、品質欠測を別々に記録する必要がある。この原因分析の集計では新候補実行や閾値探索を追加していない。別候補の後掛け30条件は生成済み・品質未測定で、本資料の寄与結果とは混ぜない。

8. 成果物

3枚のPNGを実際に開き、ラベル、符号、全条件、窓範囲、軸と凡例の可読性を確認した。SVGも同梱。原音・新wave・新FFT・ML/F0・合成・ソフトウェアテストは追加していない。

全保存表・図へのリンク

図の白背景は描画時の固定背景。本文はシステムのライト/ダーク設定に追従する。原音power曲線を含まないID09図では、原音は閾値と保存交差時刻のみである。