有声・無声が一致しても48 kHzの品質低下は残る
有声・無声の判定が同じ75録音でも、Apron48はApron24に対し、話者類似度と明瞭性がそれぞれ71録音で低下しました。判定が食い違う録音だけでは、品質低下の全体を説明できません。ただしF0の連続値まで一致したわけではなく、F0の影響を除外した結果でもありません。作業ベースはApron24を維持します。
元の120録音比較では、予測音質と参照付き指標の方向が分かれる
この表は前回公開した無編集の値と順位をそのまま引用しています。各方式120録音・40話者。↑は大きい方、↓は小さい方が指標上よいことを表します。指標を合算した総合順位はありません。
| 指標 | Apron24(現ベース) | Apron48 | WORLD48 |
|---|---|---|---|
| 予測音質 UTMOS ↑ | 3.284956(2位) | 3.336981(1位) | 3.214918(3位) |
| 話者類似度 ECAPA ↑ | 0.955192(1位) | 0.937230(2位) | 0.898331(3位) |
| 明瞭性 eSTOI ↑ | 0.814971(1位) | 0.793645(2位) | 0.765727(3位) |
| 参照付き品質距離 SCOREQ ↓ | 0.301663(1位) | 0.352833(2位) | 0.429630(3位) |
UTMOSは24 kHzへ投影した全長、ECAPAは16 kHzへ投影した全長、eSTOIとSCOREQは16 kHzの固定共通先頭区間です。自動MOSは人の新しい評定ではなく、これらから12 kHz超の知覚品質は判断できません。
比較音声は前回の同じ保存例を参照する
結果を見る前に選んだ3例の先頭、p225_029の無編集音です。音声の生成・複製・再量子化はしていません。この1例で75録音全体を代表させるものでもありません。
原音
Apron24(現ベース)
Apron48(粗い格子)
WORLD48
VCTKの出典・ライセンスと試聴用変換。原音は約1.796秒、Apron出力は約1.805秒で、端の長さを合わせる処理はしていません。
判定一致群でも、参照付き3指標の平均は悪化した
保存F0の各時刻を比べ、有声・無声の違いが0だった75録音と、1か所以上あった45録音に分けました。どちらの群でも音高の細かな値は変わり得ます。下表の差はApron48引くApron24。SCOREQだけは正の差が悪化です。
判定が全時刻で一致:75録音・37話者
| 指標 | 平均差 | 差の中央値 | 改善 | 悪化 | 同値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 予測音質 UTMOS ↑ | +0.030800 | -0.006902 | 35 | 40 | 0 |
| 話者類似度 ECAPA ↑ | -0.017807 | -0.015771 | 4 | 71 | 0 |
| 明瞭性 eSTOI ↑ | -0.022396 | -0.021532 | 4 | 71 | 0 |
| 参照付き品質距離 SCOREQ ↓ | +0.059915 | +0.054020 | 11 | 64 | 0 |
判定に違いがある:45録音・28話者
| 指標 | 平均差 | 差の中央値 | 改善 | 悪化 | 同値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 予測音質 UTMOS ↑ | +0.087401 | +0.168635 | 27 | 18 | 0 |
| 話者類似度 ECAPA ↑ | -0.018219 | -0.016642 | 2 | 43 | 0 |
| 明瞭性 eSTOI ↑ | -0.019543 | -0.019159 | 1 | 44 | 0 |
| 参照付き品質距離 SCOREQ ↓ | +0.036595 | +0.032068 | 7 | 38 | 0 |
判定一致群の自動MOSは平均で+0.030800ですが、75録音中40録音では低下し、差の中央値も−0.006902でした。平均の上昇が、多数の録音での上昇を意味するわけではありません。
この分け方では、音高や周波数刻みの因果効果は決められない
これは品質比較と保存F0診断を見た後に行った事後分析です。群ごとに録音を等しく重み付けしました。各話者3録音が揃うのは判定一致群で12話者、不一致群で3話者だけなので、部分群を40話者の均等比較とは呼びません。群間で話者や発話内容も異なり、平均差の大小から有声・無声判定の因果効果を推定できません。
一致群でもF0の連続値、声道、声門源、雑音などが変わり得ます。今回言えるのは、参照付き指標の低下が「判定の食い違いを含む録音」に限られないことまでです。格子幅だけを原因と決めず、48 kHzのまま周波数刻みを揃えた比較の全件照合を優先します。
同じ録音IDで元の記録を結び、全4指標を残した
120本の保存F0診断と、Apron24・Apron48の無編集4指標、計960品質個票を照合しました。結合後は480対応差です。未測定値の補完、録音の除外、音高差の閾値探索、有意性検定は行っていません。新たな音声解析・合成・F0推定・モデル採点もありません。
全480対応差・群集計・元のSHA / 事後分析の目的と集計規則。元の120録音の順位・測定値は変更していません。
補足作成:2026-10-25T05:36:30.987249+00:00